防風林/永井するみ/講談社2005/06/01

私は「私とは何か」の問いの前提には「記憶の蓄積」があると思っています。しかし長く生きているとその記憶も曖昧模糊としてきたり、聞いた話を自分の体験としてしまうこともあります。さらに「忘れてしまう」こともあるでしょう。それは取るに足らないことだったり、逆に自分を守るためだったり。この物語は自分を、そして大事な人を守るためにある記憶を封印してしまう話です。しかし皮肉なのは、その大事な人が「記憶回復」を長い時間待っていたということです。「防風林」は何から何を守るのか?

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