魂萌え!/桐野夏生/毎日新聞社2005/05/29

 60歳を前にして夫が急死。離ればなれになっていた家族が様々な思惑を抱えて帰ってきたり、今まで付き合ってきた友人達の見えなかった面が表れたり、夫の友人を通じて新しい人間関係を築いたり。平凡だった専業主婦が右往左往しながら自分の足で歩き始めます。新聞連載だからでしょうか、著者独特の「闇」は薄められていますが、周囲にいる人々の主人公へのセリフには、「邪な意図」が隠れています。ミステリー色はほとんど無いものの、恐ろしげな日常の陥穽を十分に感じられます。

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