バラカ/桐野夏生/集英社2017/02/04

 一人の子供を通して、今の日本が抱えているものがすべて描かれている気がしました。解決策が示されているワケではありませんが、希望はありました。
 
 「必読」に近いオススメです。★★★★
 
 しかし、今回もミステリーではなかったなあ。もうこちらに戻ってこないんだろうか。

勁草/黒川博行/徳間書店2017/01/26

 直木賞を取った時には「やっとかよっ」と思いました(笑)。まあ、初期の頃からのファンとしては嬉しさの方が大きいですが。

 今回の題材は「オレオレ詐欺」。警察内部だけでなく、実行犯にも取材をしてるんじゃないかと思わせるくらいに犯行のディティールが鮮明です。それだけでなく、物語も怒濤のように進んでいきます。
 
 関西弁の会話のリズムも楽しく、最後まで一気読みです。極上のエンタテイメントです。★★★★

日本は、/G.D.グリーンバーグ/彩流社2012/07/08

 
 日本人より日本語に堪能な「日本在住アメリカン・ジジィ教授」のツイート集。
 
「『島田紳助のこのひと言で100人のうち99人が前向きになれる』という本の広告を見た。心の底から残り1人になりたいと思う」
 
 この言葉にやられてフォローし、この本を購入。日本人かガイジンかなんてのはどうでもいい。

 『日本は、差別や貧困や原発や戦争をなくすことができる叡智を持つ国である。だから日本は、もっといい国になれる。絶対に。さぁ、私と一緒に考えてみませんか。日本は、ーーー』
 
 前書きでノックアウトされつつ、あっという間に読了。本棚に残る本となった。皆さんも、ぜひ。

アンテナタワー千一夜/北沢幸浩/創樹社2010/08/17

 著者は元NHKの技術局員。局地での架設やトラブルの話は興味深い。画像も多く、アンテナと一口に言っても様々な種類があるのだなと実感できる。

 ただ、著者はアマチュア無線はそれほど詳しくないらしく、少々疑問の残る点もあったことが残念。★★★★

悪果/黒川博行/角川書店2010/02/05

「オマエらの性根は極道より腐っとる」。誰が誰に言った台詞かを考えながら読むとグッド。久し振りに電車を降りるのを忘れた(笑)。★★★★★

螻蛄/黒川博行/新潮社2010/01/25

おなじみ疫病神コンビが「生臭坊主」から毟り取る。相変わらず楽しいです。★★★★

断鎖 Escape/五條英/双葉文庫2010/01/08

最後は失速しちゃったなあ…。続編を書こうとする下心が邪魔したか。 ★★★

リオ/今野敏/新潮文庫2009/12/13

現在、警察小説は佐々木譲とこの人だそうだ。この程度じゃ佐々木譲に失礼(笑)。★★

狐罠/北森鴻/講談社文庫2009/11/19

私が興味の持てない骨董とか都合の良いスーパーマンが出てきて、読み終わるのが苦痛だった。★

IN/桐野夏生/集英社2009/10/18

「OUT」と対になってるような売り方はイカンだろ。全くの別物だし。期待値が高かっただけに残念。著者の自伝とすれば良かったのに。★★