制服捜査/佐々木譲/新潮社2006/04/12

 地元との癒着を恐れる上層部の意向で、数年で転勤させられる北海道警の警察官たち。川久保も札幌での私服刑事から道東の志茂別駐在所へ転勤でやってきた。大きな事件や災害もない田舎の町であったが、それは表面上のこと。事件がないのではなく、事件を作らない町だったのだ。

 五編の連作短編集です。駐在さんが主人公といえば田舎ののんびりとした話を想像するかもしれませんが、この小説の内容は全く違います。地元のボスや有力者が「犯人を作らない」ことを前提にしている町なのです。よそものである川久保巡査は、次第に町の雰囲気を嗅ぎ取り、彼らに煙たがられながらも治安を守っていきます。

 誰がなんと言おうと、私はこの小説が気に入りました。内容も良いのですが、著者の書く文体がいいのです。特に最初の「逸脱」のラスト3行。痺れます。

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_ その傍で本を読むのは - 2006年05月24日 22時03分00秒

ワタシ的評価:★★★☆☆

北海道警は不祥事発覚以降、数年で異動を繰り返す玉突き人事を行っている。
結果、現場を知らない上司、地域を知らない駐在、そんな組織となってしまった。
川久保も、札幌で刑事をしていたのが一転、地方の駐在となった。
赴任先は「犯罪発生率管内最低」の町。
しかしその意味するものは・・・・。

上手です。でも評価が普通なのは・・・後味が悪い話ばかりだから。
やりきれない気持ちになる。
川久保が真面目で、仕事もできる男だからこそ、余計にやりきれない。
こんな気持ちで働くのは、つらいだろうなぁ。
それにしても恐ろしい町だ。

淡々とした連作短編かと思ったら、最後に向けてちゃんと盛り上げていく。
で、コイツが・・・!というオチもあり。
いいんだけど、暗い気分になってしまったので・・・・評価厳しめ。

この人の「うたう警官」を読んでみたい。
2006年版「このミステリーがすごい!」で10位だとか。

_ Celestial Blue - 2006年08月17日 23時52分45秒

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癒着などの不祥事などを怖れる上層部の意向で
短い期間で移動をしている北海道の警官たち。
川久保も刑事から地方の駐在勤務になった。
そこは一見平和な田舎町

_ 本の虫 - 2007年12月26日 17時11分41秒

 佐々木譲「制服捜査」(新潮社)を読了。ここで言う「制服」とは警察官の制服のこと。この小説は、制服警官すなわち駐在警察官を主人公にした佐々木氏ならではの硬質な連作小説集である。

_ cinema days 『映画な日々』 - 2008年01月21日 01時50分23秒

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 北海道警察本部釧路方面広尾警察署
 志茂別町駐在所での出来事5篇
 「逸脱」「遺恨」「割れカラ