刑務官/坂本敏夫/新潮文庫2005/06/20

「官舎で生まれ、官舎で育った祖父に続く三代目の刑務官が書いた塀の中・・・」 このコピーに釣られて読み始めましたが、何度途中で読むのを止めようと思ったことか。現場の刑務官と法務省役人(刑務所現場の上層部を含む)との意識の乖離に立腹するのは理解できますが、先の某刑務所で起こった刑務官による受刑者への暴行致死事件に対する著者のスタンスは理解できません。マスコミの報道も検察の起訴状も全て「でっち上げ」とはどういうことか。現場にべったりだと、見えなくなってしまうこともあるようです。