三たびの海峡/帚木蓬生/新潮文庫 ― 2005/06/23
強制連行され炭坑での労働を強いられながらも、戦後韓国で経済的に成功した主人公が一通の手紙によって半世紀の後に再び海峡を渡ります。その目的はいわば個人的なものではありますが、その「個」の向こうに「暗澹たる歴史」が見えます。この作品は静謐な反日小説です。安直なナショナリズムや正史こそが正義と考える向きには、おそらくアレルギーを催すでしょう。それも結構。しかし、そのアレルギーの根源を見据える性根は、これからますます必要になってくるでしょう。その自信を持てない方にはオススメしません。
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