職業欄はエスパー/森達也/講談社文庫2006/02/22

私は超能力を始めとする「超常現象」や幽霊や祟りなどの「心霊現象」などを全く信じていません。そんなものをドキュメンタリー作家である著者がどのように著すのかに興味を持ち、この本を読んでみました。

「信じる」「信じない」の二元論を排除するというスタンスには共感を持ちました。しかし、私がいつも持っている疑問、すなわち「『超能力』があったとして、それがどうした」に対する回答として「『引力』があったとして、それがどうした、と同様の疑問である」とする著者の強引さに少々不快さを持ちました。

同じ視点でオウムを題材とした映画「A」を撮影していたとしたら、不快を通り越して恐怖ですね。