天使の屍/貫井徳郎/角川文庫2006/02/08

中学二年の息子が飛び降り自殺を図る。動機を知ろうとする父親が息子の教師や友人に話を聞き始めると、その友人達が次々と自殺していく。『子供の論理』に翻弄される父親が掴んだ真相とは少年達の不可解さだった。

粗筋をこんな風に書いてしまうと単なる父親の真相追求ですが、この作品ではきちんと父親の行動の動機付けが用意されています。そこが上手いなあと思います。家族の問題というとなんだか矮小な印象を拭えませんが、自殺の真相と合わせるせると『子供の論理』がしっかりと立ち上がって来ます。これもイイですね。