空の色紙/帚木蓬生/2006/01/10

表題作を含む中編3編が収録されています。ある殺人者の精神鑑定を行った医者が、実はその被疑者と同じ問題を抱えていた「空の色紙」。戦争末期、特別攻撃隊として出征した自分の兄と妻を巡る葛藤が、今でも苦しめる様子が描かれています。

他の二編も同様に、現役の医師ならではの内幕(論文発表の虚々実々や献体)がちりばめられていて、リアルさを増しています。