やっとかめ探偵団と鬼の栖/清水義範/実業之日本社2005/12/28

今ほどミステリーにハマる前は、この著者の作品をよく読んでいました。なかでも「やっとかめシリーズ」は好きでした。

名古屋市中川区で駄菓子屋を営む波川まつ尾。その冷静な観察眼と鋭利な推理は「ミス・マーブル」に匹敵する。近所の老人の溜まり場となった店先に、今日も難問が持ち込まれる。飛び交う古名古屋弁、噛み合わない会話(笑)、たむろする客達。決してハッピーエンドではないけれど、読後感が悪くないのは、主人公の視線や考え方が暖かく、自分自身も傷を抱えているからでしょう。

様々なミステリーに触れてきた今でも、このシリーズはとても良くできた作品群だと思います。書店で見かけた物ですから思わず手に取ってしまいました。久しぶりに読んでみましたが、やっぱりイイですね。