うつくしい子ども/石田衣良/文春文庫2006/05/15

三村幹生は郊外の美しい町に家族と共に住み、管理の「行き届いた」中学に通っていた。しかし、同じ学校に通う弟が、少女を殺したとして補導された。地域からも学校からも弾かれそうになるが、幹生は、なぜ弟が殺人を犯したのかを調べ始める。

物語は幹生と、事件を追う新聞記者双方の視点から語られます。読後に考えれば、これは事件の内側と外側を対比させたことに気付きますが、最中は少々読みにくかったなあ。

また殺人を犯した弟はモデルをやるくらいの美男子ですが、兄はあだ名が「ジャガ」と呼ばれるほどの容姿です。これも何かの対比なのでしょうけど、今でもわかりません。

少女殺人の犯人は弟であることは提示されています。兄が調べるのは動機です。最後にはきっちりと動機まで至るのですが、ただ、弟の心象は最終章に語られます。納得できるかどうか。それは読者に投げられていますね。

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