さぶ/山本周五郎/新潮文庫 ― 2005/08/28

もう、いまさらなのですが(笑)。男前で粋な「栄二」とずんぐりで不器用な「さぶ」の物語。濡れ衣を着せられ復讐心を燃やす栄二が、さぶ、そして関わりのある女性のサポートや、様々な人々と出会う中で、次第にその心を変えていきます。私はこれを青年が成長していく青春小説として読みました。ただ、濡れ衣の真相が「それでいいのか?」って疑問を持ちましたけども。余談ですが、さぶの栄二に対する感情は、まさに愛そのものであったかと。そんな点で、ゲイ雑誌「さぶ」のタイトルの出典は、この物語であったかと思います。もう一方の「薔薇族」の出典が、確か聖書だかギリシャ神話だった記憶がありますから。
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