容疑者Xの献身/東野圭吾/文藝春秋2006/06/07

 遅ればせながら読んでみました。殺人を犯してしまった母子を精緻な計画でかばおうとする高校数学教師の動機は、私には納得できました。巷間では、その辺りに批判があったようですが。もちろん殺人事件自体のトリックについても私はOKです。

 ただ賞を獲れるだけのものだったかと問われると、諸手を挙げて賛成はできません。これが他の著者(特に新人)が著したものならばいいのですが、これだけ実績のある現在の著者であるなら物足りないような気がします。もちろん、一素人読者のワガママであることは理解していますが。