雫井脩介/火の粉/幻冬社文庫2006/09/02

元裁判官の隣家に、以前無罪判決を下した男が引っ越してきた。如才なく近づいてきた男は裁判官の家族に取り入り、うち解けていくが、次第に不可解な事件が起こりはじめる。

どんでん返しのような驚きはありませんでしたが、滅入るような怖さがありました。そして「こういうヤツっていそうだな」とも。

しかし、「元」といえども、裁判官は裁判所以外では無能なんですか?

白川 道/天国への階段/幻冬社2006/09/16

新刊当時、凄く気になっていた本です。今回やっと「読もう」という気になって、いざ、ページを繰ってみたのですが…。

確かに面白い物語でした。しかし、成り上がって成功した者が、過去を知る人物を消していくのは納得できるのですが、そこにまつわる人々の考え方がなあ。基本的に私は「任侠」が理解できていないのかもしれません。

猫の縁談/出久根達郎/中公文庫2006/09/24

著者の初めての作品集ということで読んでみました。ちょっと読みづらかったかな。これは何を指しているのか? これは誰がしゃべっているのか? 自分の読解力の無さを棚に上げて言うのもおこがましいのですが、何度も同じページを行ったり来たりしたことを白状します。

札幌刑務所4泊5日/東直巳/光文社文庫2006/09/28

ハードボイルド作家が、スピードオーバーの反則金をわざと滞納し、刑務所に入ってみたという体験記。軽微な罪では、法務局もなかなか刑務所に行かせないことを知って驚きました。なんのかんの言って、反則金を払わせようとします。

これはオススメです。是非。