愚行録/貫井徳郎/東京創元社2006/05/09

 ページをめくってすぐに新聞記事の引用。内容は35才の母親が、3歳児の育児を放棄し、死なせ、逮捕されたというもの。続いて、ある都市で一家が惨殺された事件を追うルポライターのインタビューに答える近所の人々の証言と、妹が兄に、自分たちの生い立ちを回想する場面が、交互に書かれています。

体裁は3つが独立した書き方がなされていますが、もちろん最後には一点に集中し、物語の話は閉じます。

内容はタイトル通り。人はここまで愚かなのか、成り下がることができるのか…。愚行のショウケースを見ているかのようです。さて、私たちは?

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