不実な美女か 貞淑な醜女か/米原万里/新潮文庫 ― 2006/03/30
ロシア語同時通訳者である著者のエッセイです。いなければ始まらないはずなのに、その実体がよく分からない「同時通訳者」とはいったいどんな人たちなのか? これを読めばその一端に触れることが出来ます。
もちろん同時通訳のことばかりでなく「言葉」を扱う職業ですから、言語学や民俗学の面白さも味わうことが出来ます。
美文だが通訳者の意図が含まれているモノ(=不実な美女)、そしてガタガタだが双方の意志がすべて反映されているモノ(=貞淑な醜女)の対比がタイトルになっています。どちらが良いのかはご一読を。
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