セックスボランティア/河合香織/新潮社 ― 2005/09/25
身障者は頑張っている、純心だ、健気に生きている、そんな意識にバックドロップ。下らない非身障者の先入観を砕いて一人の人間を見据えると、そこにあるのは性の問題です。それは当然。しかし、今まで身障者の性はタブー視されてきました。戦争中は邪魔者として青酸カリを渡され、やっと終戦になったと思ったら、今度は優生保護法。より良く生きるという健常者なら追求すべき道を最初から閉ざされてきた彼ら。それを正面から取り組んでいる人々を追った著作です。セックスやマスターベーションの介助は売春ではないのか、ボランティアでセックスのパートナーとなることは身障者を性奴隷にすることではないのかという周囲の疑問に答えるには、まず我らのセクシャリティを確立する必要があります。そう、身障者の性をタブー視することは、健常者の性をも視野の外に置くことを意味します。当たり前のこと、当然のことを問題提起しなければならない不幸。しかし、そこから全ては始まるような気がします。対岸の火事ではありません。
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