グレイヴディッガー/高野和明/講談社2005/09/24

悪党として生きてきたが、過去と別れを告げるべくドナー登録をした元・悪党の八神の入院の日、彼の周辺で無差別大量殺人が発生します。被害者を繋ぐ点は「ドナー登録者」。殺人の濡れ衣をかけられた彼は、警察と殺人鬼、そして謎の集団から追われます。果たして彼は移植を待つ患者の元にたどり着くことができるのか?

主人公の動機が曖昧な点や、荒唐無稽な逃走方法、また殺人鬼の容姿や殺人方法などいろいろと指摘したくなるところはありますが、主人公が時々見せる「元・悪党」の片鱗や、最後までハラハラさせるところなど、私は面白く読みました。賛否両論あるようですけどね。まあ、乱歩賞を受賞した「13階段」を読んだときの「当たり感」まではいきませんが、既刊の何冊かを手に取ろうと思っています。