震度0/横山秀夫/朝日新聞社2005/07/16

阪神大震災の起こった日、震源から遠く離れた地の某県警本部からベテランで人望のある課長が失踪します。課長は何故、そしてどこへ消えたのか。県警本部内のキャリア、ノンキャリアが、課長失踪をお互いの駆け引き、恫喝、懐柔の材料にしていきます。大震災の悲劇が明らかになっていく模様を通奏低音にしたほぼ48時間の物語は、最後まで県警本部と隣接する官舎内で展開します。これは、ある意味、密室劇と言っていいでしょう。密室だからこその衝突、そして失踪であったのです。さて課長失踪の真相は? そして、何故著者は阪神大震災の日を選んだのか。是非、読んでください。